こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエスホールディングス」の鈴木です。
高く売れる土地と売れない土地にはどう差があるのか、なんとなくはわかっていても、もっと改善できる部分はないかなど、気になりますよね。
売れる土地と売れない土地の違いを把握し、工夫することで売却の可能性は十分高まります。
今回のコラムでは、売れない土地と売れる土地の違いや、売却をしやすくするポイントについて解説していきます。
売れない土地を相続して悩んでいる方も必見です。
高く売れる土地とは?特徴をチェック!
高く売れる土地とは、具体的にどのような土地なのでしょうか?
売却に有利な土地の特徴を詳しく見ていきましょう。
立地条件が良い
土地の価格に最も影響するのは、土地の立地です。
「立地が良い」とは、例えば以下のような生活に便利な場所に物件があることです。
- 駅から徒歩5分以内
- 大都市の駅の近く
- 周りにスーパーマーケットや病院などがある
近年、特に都心部では、車を持たない人が増えてきています。
そのため、駅からの距離はさらに重要度が高くなりつつあります。
建ぺい率や容積率が大きい
狭い土地が売れにくいのはイメージしやすいと思いますが、ただ広さがあれば良いわけではありません。
土地の広さの中でどのくらいの大きさの建物が建てられるかも、ポイントの一つです。
これを表すのが「建ぺい率」と「容積率」です。
建ぺい率とは、「敷地の中でどのくらいの面積の建物を建てられるか」を表す数字。
例えば「建ぺい率が90%」という土地の場合、敷地のギリギリまで建物を建てることができます。
「建ぺい率が50% 」になると、せっかく広い敷地面積があっても、建物の大きさは敷地面積の半分以下に収めなければなりません。
容積率とは、「敷地面積に対して、延べ床面積をどれくらいとっても良いか」を表す数字です。
「容積率が200%」という土地の場合、例えば建ぺい率が20%だったとしても、敷地面積の2倍の容積が許されているため、その分マンションなど高い建物を建てることができます。
より大きな建物を建てることができる土地は、一般的な戸建て住宅を建てたい方にとってはもちろん、賃貸物件を建てたい方にとっても、需要が高いです。
賃貸物件の場合、より大きな建物を建てることができれば、部屋数を増やして収益性を高めることもできます。
そのため、建ぺい率や容積率が大きい土地は高値で売れる可能性があるのです。
土地の形状が整った土地
一般的に、正方形や長方形の土地は高く売りやすくなります。
整った形の土地は庭や駐車場などを効率的に配置できるため使い勝手が良く、道路への接地面も広いため、車の出入りもスムーズです。
また、地盤がしっかりしていて災害リスクが少ない、日当たりが良いなど、暮らしの安心や快適さにつながるような良い条件が揃った土地も売れやすいです。
用途の制限を受けにくい土地
土地は「用途地域」という区分に基づいて、建てられる建物の種類や用途に制約があります。
用途の制限を受けにくい土地だと、さまざまな建物を建てることができるため、ターゲットが広がり、その分需要も高くなります。
通常、駅近くのエリアは商業地域に指定され、建ぺい率や容積率の制限は緩くなる傾向にありますが、その分建物の構造に制約が加わり、防火性に優れた建物などが求められます。
一方、駅から離れた住宅地域では、建物の高さや店舗を建てられないなどの制約が発生します。
ただし、店舗や商業施設が少ない分、静かな住環境が得られやすいため、戸建ての土地を探している人にとっては、需要が高くなりやすいです。
売れない土地の特徴とは?
一方、「売れない土地」とはどのような土地でしょうか。
土地が売れない理由がわかれば、売却するための対策も立てやすくなります。
一般的に考えられる「売れない土地」の理由をチェックしていきましょう。
土地の需要がほとんどない
土地が売れない大きな理由の一つに、土地の需要がほとんどない場合があります。
土地が多く、余っている地域、利便性の悪い地域では特に売却が難しいといえます。
境界が確定していない
境界が明確でない土地は、売りづらい傾向にあります。
境界をはっきりさせるのが難しい場合、購入後に隣地所有者とのトラブルが発生する可能性が高まるからです。
売りたい土地の境界が確定しているかどうかは法務局で調べることも可能ですが、まずは不動産会社の担当者に相談してみましょう。
形状や接道などの土地の条件が良くない
三角形や旗竿地など、変わった形の土地は利用しにくく、売りづらいといえます。
接道していない(接道義務を満たしていない)土地や、道路に接地していても間口が狭い土地の場合も、建物を建てることが難しいため売却が難航しがちです。
そのほか、高圧線や墓地に接しているなどマイナスに感じられやすい周辺環境の土地や、市街化調整区域や山林、田畑など、建築物が限られる土地も売れにくい傾向があります。
土壌汚染や地中障害物などの問題を抱えている
土壌汚染や地中障害物も、土地が売りづらい理由の一つになります。
特に、土壌汚染対策法によって「要措置区域」や「形質変更時要届出区域」と指定された土地の場合、売却がスムーズにいかないことも多いです。
売却したい土地が該当しているかどうかは、各自治体のホームページで確認できます。
不動産会社の宣伝力が足りない
不動産会社の宣伝力は、売却が成功するかどうかに大きく関わります。
不動産のポータルサイトに物件を掲載することが一般的で、購入希望者が物件を見つけて問い合わせる流れが増えています。
そのため、不動産会社が登録しているポータルサイトが宣伝に効果的であるかも重要です。
そのほか、全国の不動産会社が閲覧できるレインズに物件情報を登録する予定はあるか、どんな方法で宣伝を行えるかなどを事前に聞いておくことも必要でしょう。
不動産売却時の広告については、こちらのコラムでも詳しくお話ししておりますので、あわせて参考にしてみてください。
不動産売却時の広告料は売主負担?広告の種類や広告のポイントも
売り出し価格が高い
土地の売り出し価格が高すぎる場合は、条件が良くても売りにくくなります。
相場と比較して売り出し価格が高いと、値下げ交渉から始まってしまい、成約まで時間がかかることも。
適正な価格で売り出すことが大切です。
売れない土地を高く売るためのコツや対策
売れない土地を売れる土地にするには、どうしたら良いのか、売れない土地の対策について解説します。
「土地が売れない!」と諦める前に、ぜひチェックしてください。
媒介契約を考え直す
媒介契約には以下の3つのタイプがあります。
- 専属専任媒介契約:契約期間中は他社に依頼できない。自分で相手を見つけて取引をすることも不可能
- 専任媒介契約:契約期間中は他社に依頼できない。自分で取引相手を見つけるのは可能
- 一般媒介契約:契約期間中でも他社に依頼できる。自分で取引相手を見つけるのは可能
一般媒介契約では複数の不動産会社に同時に売却を依頼できるため、売却の確率が上がることも。
複数の不動産会社に依頼したとしても、仲介手数料は最終的に契約を成立させた1社のみへの支払いとなります。
対して、専属専任媒介契約や専任媒介契約は、他社に依頼できないからこそ、熱心に売却活動を行ってくれるというメリットもあります。
レインズへ物件情報を登録する義務もあるため、全国の不動産会社に物件情報を広めやすいのもメリットの一つです。
今の契約方法で売れない場合は、契約内容を変えてみるのも手でしょう。
不動産会社を変える
土地の売却がなかなか進まない場合、販売力や宣伝力のある不動産会社に依頼先を変えることで、スムーズに売れる可能性が高まります。
不動産会社選びの際には、得意分野や取引実績も確認しながら複数の会社から査定を受け、コミュニケーションを取りつつどの会社が親身にサポートしてくれるかを見極めることが大切です!
不動産会社の選び方のポイントは、こちらの「不動産売却時の不動産会社の選び方は?大手・中小の特徴も知ろう」で詳しくご紹介しています。
ただし、専属専任媒介契約または専任媒介契約を選択している場合は、契約期間が終わるまで他社に依頼することができません。
専属専任媒介契約、専任媒介契約の契約期間は、法律により上限が3カ月と定められていますので、不動産会社を変える場合は、契約期間が終了するタイミングにあわせて検討しましょう。
市場の相場を正確に把握して考え直す
最初から低い価格で設定する必要はもちろんありませんが、高すぎる価格設定は考えもの。
以下の方法で価格戦略を見直しましょう。
- 地域の市場相場に詳しい不動産会社に相談し、適正価格を調査する
- 売り出し価格が高すぎる場合、相場に合わせて価格を低くすることを検討
- 売却期間が長くなると市場で敬遠される可能性が高まるため、値下げタイミングを遅くしすぎない
公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」では、土地売買が成約するまでの平均日数は83.6日です。
ということは、売り出してから3カ月経っても売れていない場合、価格が相場に見合っていないなどの可能性があります。
値下げをする場合は、早すぎても遅すぎても損をしてしまう可能性があります。
こちらのコラムで詳しくお話ししておりますので、あわせてご参考ください。
不動産売却での値下げのタイミングは?注意点や値下げを防ぐコツも
隣地所有者に売却を打診する
土地がなかなか売れない場合、隣地の所有者に売却を持ちかけるのも一つです。
形状や条件が良くない土地でも、隣地とあわせることにより問題が解決し、魅力的な土地に変わることもあります。
例えば接道義務を満たしていない土地なら、隣接地と合わせることで接道義務を満たし、再建築をできるようになることも。
ただし、個人間での取引でトラブルを避けるために、隣地の所有者が知り合いの場合でも、不動産仲介を利用するのがおすすめです。
土地の問題を解消する
未確定の境界や土壌汚染など、売れない土地に瑕疵(なんらかの不具合)がある場合は、瑕疵が取り除けないか確認しましょう。
あいまいな境界は、法務局での確認、測量士による測量、土地家屋調査士の協力などで解消できる可能性があります。
土壌汚染の懸念がある場合は土壌汚染調査を行い、現在は清浄な土地であることが証明できれば、ぐっと売り出しやすくなるでしょう。
買取を検討する
立地が郊外など成約まで時間がかかりそうな土地については、そのような土地を中心に買取している不動産会社に買取をしてもらうのも手です。
また、早めに現金化したい場合にも買取はおすすめです。
仲介での売却価格の8割程度と下がることが多いですが、早く売ることができます。
不動産仲介と不動産買取の違いについては、こちらのコラムもご覧ください。
不動産の仲介と買取の違いは?メリット・デメリットは?どっちを選ぶ?
売れない土地には理由がある!不動産会社と協力して売却を目指そう
売れない土地には必ず理由があります。
例えば、土地の需要がほとんどない、土地の条件が良くない、不動産会社の宣伝力が足りない、売り出し価格が高い、境界が確定していない、土地に問題を抱えている、などの原因が考えられます。
売れない理由をしっかり理解することで、どうすれば売れる土地にできるかの対策が立てられます。
具体的には、媒介契約の考え直しや不動産会社の変更、価格の考え直し、隣地所有者への売却、土地の状況を改善するなど。
不動産買取を利用する方法もありますよ。
ある程度売れない原因に見当をつけ、地域に精通した信頼のおける不動産会社を選び、相談しながら売却を進めていきましょう。
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