こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエス宅建」の鈴木です。
マンション売却の際に必要な手続きの一つに、「管理組合への連絡」があります。
適切なタイミングで正しく手続きをしないと、売却後も管理費が引き落とされ続けるなどのトラブルにつながることもあるため注意が必要です。
今回は、マンション売却時の管理組合への連絡タイミングや必要書類、連絡を怠った場合のリスクについて詳しく解説します。
これからマンション売却を検討される方はぜひ参考にしてください。
マンションの売却時は管理組合へ連絡を
マンションを売却する際には、管理組合への連絡が必須です。
なぜなら、マンションの区分所有者は全員が管理組合に加入しており、売却によって所有権を手放す際には、管理組合の脱退手続きが必要となるためです。
管理組合とは、マンションの区分所有者全員で構成・運営している組織のことです。
区分所有法に基づいて設置が義務付けられており、分譲マンションを購入すると自動的に加入することになります。
管理組合の主な役割は、マンションの共用部分の維持管理です。
役員を中心に、エントランスや廊下、エレベーターなど共有スペースの管理や、長期修繕計画の策定などについて話し合い、運営します。
具体的な管理業務は管理会社へ委託していることがほとんどです。
管理組合への連絡はいつするもの?
管理組合へ連絡するタイミングは、主に「売却活動開始前」と「決済完了後」の2つがあります。
1. 売却を決めて、売却活動を開始するタイミング
まずはマンションの売却を決めた時点で、管理組合へ連絡を入れておくことをおすすめします。
まだ連絡の義務はありませんが、早めに伝えておくことで以下のメリットがあります。
- その後の手続きをスムーズに進められる
- 必要な手続きや書類について事前に確認できる
- 売却活動中に内覧客がマンションを訪れる際、ほかの住民に不安を与えない
このようなメリットがあることから、マンションの売り出しを開始するタイミングで連絡するのがおすすめです。
2.不動産売買契約と手続きが進み、決済が完了したタイミング
国土交通省が示すマンション標準管理規約によると、マンションの所有権が買主様に移転した時点で、元の所有者の管理組合員の資格がなくなるとされています。
そのため、決済が完了し所有権が移転したタイミングで、管理組合から正式に脱退する手続きを行います。
管理組合の役員でもマンションの売却は可能
マンションの管理組合の役員は、区分所有者が1年ごとなど持ち回りで担当することが多いです。
ちょうど管理組合の役員を務めているタイミングであってもマンション売却は可能ですが、その際は次の点に配慮しましょう。
- 売却決定後、早めにほかの役員に伝える
- 管理規約で役員交代の規定を確認する
- 買主様に役員引継ぎの可能性がある場合は事前に説明する
役員が組合員資格を喪失した場合は、通常、総会などで新たな役員が選出されます。
「任期を全うしないと売却できない」という規定はほとんどありませんので、ご安心ください。
こちらのコラムでは、マンションの売却時に管理費や修繕積立金の滞納がある場合の対応についてもご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。
マンションの管理費・修繕積立金滞納と売却。知っておくべきことは?
管理組合にマンションの売却を報告する際に提出するもの
マンション売却時の管理組合からの脱退手続きには、管理組合へ「組合員資格喪失届」の提出が必要です。
組合員資格喪失届は、管理組合や管理会社へ連絡して入手します。
自分で連絡しても良いですし、不動産売却を仲介している不動産会社が手配してくれることもあります。
売却が決まったら、早めに書類を入手して記入の準備をしておくと良いでしょう。
管理組合によって様式は異なりますが、一般的には次のような情報を記入します。
- マンションの部屋番号
- 新旧組合員(売主様・買主様)の氏名、住所、連絡先
- 所有権移転日
- 移転理由(売買、相続、贈与など)
- 共有名義人の情報(該当する場合)
- 買主様の入居予定日
- 仲介不動産会社の情報
- 駐車場契約の有無 など
組合員資格喪失届へ必要事項を記入したら、マンションの管理組合、または管理会社へ提出します。
こちらも、自分で提出するほか、不動産会社が代行して提出することもあります。
なお、組合員資格喪失届は「理事長宛」と記載されていることもありますが、直接理事長に提出しなくても、管理組合や管理会社の窓口へ提出すれば大丈夫です。
マンション売却の連絡を管理組合にしないとどうなる?
マンションを売却しても、組合員資格喪失届を提出しなければ、管理組合は所有者が変わったことを把握できません。
その結果、売却後も引き続き元の所有者が管理費や修繕積立金を支払うことになってしまいます。
あとから払い戻しを請求することは可能ですが、管理組合に負担をかけるだけでなく、自分自身も余計な手間を抱えることになります。
無駄な出費や手間を避けるためにも、売却完了後は速やかに資格喪失届を提出しましょう。
なお、マンション売却時には買主様との管理費の精算も必要です。
マンションの管理費は一般的に前払い制のため、引き渡し日を基準に日割り計算で精算します。
例えば、10月15日に決済が完了し鍵を引き渡したとしましょう。
この場合、16日以降の管理費は買主様の負担となるため、売主様が前払いしていた管理費のうち、日割り分は買主様から返金される形になります。
精算方法は事前に確認し、トラブル防止のため売買契約書へ明記しておきましょう。
マンション売却時は管理組合への連絡を忘れずに!
マンション売却時の管理組合への連絡は非常に重要です。
適切なタイミングで連絡し、必要書類を提出することで、売却後のトラブルを防ぐことができます。
マンションを売却する際は、売り出し開始時に管理組合へ売却の意向を伝え、決済完了後には速やかに組合員資格喪失届を提出しましょう。
連絡を怠ると売却後も管理費を支払うことになる可能性もあります。
払い戻しもできるものの手間と労力がかかります。
買主様との管理費の精算も忘れずに行なってくださいね。
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