こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエス宅建」の鈴木です。
「家にひび割れがあるけれど、そのまま売れるのだろうか」「ひび割れがあると売却価格にどの程度影響するのか知りたい」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
ひび割れのある家でも売却は可能ですが、ひび割れの場所や程度によって売却価格に影響を与える可能性があります。
今回はひび割れのある家の売却査定への影響、状況別の価格目安、そしてスムーズに売却するためのコツについて詳しくご紹介します。
ひび割れのある家の売却でお悩みの売主様は、ぜひ最後までご覧ください。
ひび割れの程度によって家の売却査定が変わる
家にひび割れがあるからといって、必ずしも売却価格に影響が出るとは限りません。
コンクリートや外壁材は経年劣化により軽微なひび割れが生じるのが一般的で、
全てのひびが価格を下げる要因になるわけではないのです。
問題となるのは「建物の構造に悪影響を及ぼし、強度を低下させる恐れがある」ひび割れです。
このような構造的な問題につながるひび割れがある場合、売却価格を下げなければ、買い手がなかなか見つからない可能性があります。
国土交通省が定める「既存住宅状況調査方法基準」では、売却時に告知が必要なひび割れの基準が明確に示されています。
告知が必要なひび割れに該当する場合、重要事項説明書への記載が義務付けられており、買主様へ正確に伝える必要があります。
参考:平成29年 国土交通省 告示第82号 既存住宅状況調査方法基準の解説
ひび割れの状況別!家の売却査定の目安
ひび割れの場所や程度によって、売却価格への影響は異なります。
特に注意が必要な3つのケースについて、具体的な価格目安をご紹介します。
基礎に幅0.5mm以上のひび割れ:相場の70~80%程度
家の土台となる基礎部分に幅0.5mm以上のひび割れがあると、売却価格は市場相場の70~80%程度に下がる可能性があります。
基礎のひび割れは建物全体の安全性に直結するため、売却価格への影響が大きく出やすいです。
幅を自分でチェックするには、シャープペンシルの芯(0.5mm)を当てて確認する簡易な方法があります。
より正確に測定したい場合は、ホームセンターで購入できる「クラックスケール」の使用がおすすめです。
基礎のひび割れは施工不良や地盤沈下が原因の可能性もあるため、専門家による詳しい調査が必要になることが多いです。
同様に、深さ20mm以上のひび割れや、鉄筋のさびによって発生する「さび汁」を伴うひび割れも、価格に大きく影響します。
外壁から下地材に達したひび割れ:相場の80~90%程度
外壁の表面だけでなく、内部の下地材(合板、ラス金網、防水紙など)に達しているひび割れがある場合、売却価格は市場相場の80~90%程度になることが一般的です。
外壁の深いひび割れは雨水の浸入経路となり、建物内部の構造材を劣化させる原因となります。
特に木造住宅では、柱や梁の腐食につながる可能性があるため、購入をためらう買主様もいらっしゃいます。
表面的な塗装のひび割れであればそれほど問題にはなりませんが、爪で引っかいて段差を感じる程度の深いひび割れは要注意です。
内壁のひび割れ:理由によって影響なし・または大きく下落
内壁のクロスや石膏ボードの軽微なひび割れは、下地材のズレなどが原因であることが多く、売却価格にほとんど影響しません。
ただし、不同沈下(地盤の不均一な沈下)が原因の内壁ひび割れの場合は、状況が異なります。
不同沈下による内壁のひび割れは建物全体の傾きを示すサインであり、市場相場から500万円程度下がるケースもあります。
不同沈下の兆候として、「ドアや窓の開閉が困難になった」「床に置いた物が一方向に転がる」「玄関と基礎の間に隙間ができた」などの症状があります。
これらの症状が内壁のひび割れと同時に確認される場合は、専門家による詳しい調査をおすすめします。
ひび割れのある家をスムーズに売却するコツ
ひび割れがある家でも、適切な対策を行うことで売却価格の回復や、スムーズな売却が可能になります。
買主様の不安を軽減し、信頼を得るための方法をご紹介します。
ひび割れを補修し、その履歴を残す
補修工事を行なった際は、工事前後の写真や施工内容、使用した材料などを詳細に記録し、「修繕履歴」として保管しておきましょう。
修繕履歴があることで買主様の信頼を得られ、「きちんと管理されていた物件」という印象を与えられます。
軽微なひび割れであればDIYでも補修可能ですが、基礎や外壁など構造に関わる場合は専門業者へ依頼したほうが安心です。
空き家の場合は定期的なメンテナンスと修繕で、良い状態を保ちましょう。
空き家に必要な管理やメンテナンスについては、「空き家はどのくらいの頻度で管理すべき?管理できないときの対処法も」のコラムもぜひご参考ください。
ホームインスペクションを受ける
ホームインスペクションとは、専門の有資格者による客観的な調査で現在の建物状況を詳しく確認するものです。
ひび割れの補修後には、ぜひホームインスペクションを受けましょう。
費用はかかりますが、調査報告書により「現在はひび割れがない」「構造や雨漏りに影響がない」ことが証明されれば、買主様の「大丈夫なのか?」という不安を解消できます。
基礎のひび割れ・亀裂は買主様へきちんと告知する
基礎のひび割れがあった事実は、補修後であっても買主様への告知義務があります。
契約後に買主様から契約不適合責任を問われるリスクを避けるためにも、ひび割れがあったことと、その補修内容を正確に告知しましょう。
告知する際は、ひび割れの原因、補修内容、現在の状況を具体的に説明し、専門家による診断結果があればそれもあわせて提示しましょう。
誠実な対応で買主様との信頼関係を築くことで、価格交渉での大幅な値引きを避けられます。
ひび割れのある家を売却する方法と流れ
ひび割れのある家を売却するには、「仲介会社に売却を依頼する方法」と「専門の買取業者に売却を依頼する方法」の2つの方法があります。
それぞれの特徴と流れを理解し、ご自身の状況に適した手段を選びましょう。
仲介会社に売却を依頼する方法
不動産仲介会社に依頼し、不動産会社が売主様に代わって売却活動を行い、買主様との間で売買契約を成立させる方法です。
【仲介の流れ】
- 不動産会社へ相談・査定依頼
- 媒介契約の締結
- 売却活動の開始(広告、内覧対応など)
- 購入希望者との価格交渉
- 重要事項説明・売買契約締結
- 決済・物件引き渡し
仲介のメリットは、市場相場に近い価格で売却できる点です。
ただし、ひび割れの状況によって購入希望者が限定されると、売却までに1年以上かかることもあります。
不動産会社に買取を依頼する方法
不動産会社に直接物件を買い取ってもらう方法です。
不動産会社は物件を直接購入し、リフォーム後に再販するため、ひび割れのある家でも現状のまま買い取ってもらえることがほとんどです。
【買取の流れ】
- 買取業者への問い合わせ
- 物件調査・査定
- 買取価格の提示
- 売買契約締結
- 決済・引き渡し
買取のメリットは、確実性とスピードです。
最短数日で売却が完了し、買い手を探す必要がないため内覧対応も不要になります。
買取価格は仲介での売却価格の70~80%程度になりますが、仲介手数料が不要で、補修費用をかけずに現状のまま売却できるため、実質的な手取り額では大きな差がない場合もあります。
ただし、物件の維持管理状態や残された荷物の量、需要の少ない地域によっては半額以下になることもあり得ます。
しかし、不動産会社との契約では契約不適合責任が免責となるため、売却後のトラブルリスクを回避できる点は大きなメリットです。
ひび割れのある家は状況把握と適切な対応が売却成功の鍵
ひび割れのある家でも、状況に適した価格設定と対策で売却することは可能です。
軽微なひび割れであれば影響は少ないですが、構造に関わる場合は専門的な調査や補修が必要になります。
いずれにしても、ひび割れの状態を正確に把握し、買主様に誠実に告知することが大切です。
ホームインスペクションや修繕履歴の準備により、買主様の安心感を高め、信頼関係を築くことがスムーズな売却につながります。
市場での売却が難しいと感じる場合には、不動産会社の買取も視野に入れてみてください。
郡山市で不動産売却をお考えなら、不動産会社「アイエス宅建」にご相談ください。
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