こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエス宅建」の鈴木です。
年金受給中に不動産の売却を考えたとき、「まとまったお金が入ると年金が減らされるのでは」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
本コラムでは、不動産の売却が年金や保険料、税金にどう影響するのか、そして確定申告の流れについてわかりやすく解説します。
年金を受給しながら不動産の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

不動産売却で老齢年金は減額されない!健康保険料の急増には注意
不動産を売却して大きな利益(譲渡所得)が出ると、「受け取っている年金そのものが減らされてしまうのではないか」と不安になる方は多いでしょう。
結論からお伝えすると、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給額は、不動産の売却によって変わることはありません。
公的年金には、要件を満たす一定額以上の収入があると年金の一部が支給停止となる基準が設けられています(在職老齢年金制度)。
ただし、この基準の対象となるのは、厚生年金保険に加入して働く場合の給与や賞与です。
不動産の売却で得た譲渡所得のような一時的な所得は、この基準に含まれません。
そのため、不動産をいくらで売却しても、年金の受給額そのものが減ることはないと考えて差し支えないでしょう。
国民健康保険料が翌年度に上がることがある!
しかし、注意したいのは国民健康保険料です。
自営業の方や無職の方、年金収入のみで暮らす方の多くが加入する国民健康保険は、前年の所得をもとに金額が決まります。
そのため不動産の売却で譲渡所得が生じると、翌年度の保険料が大きく上がる可能性があるので要注意!
保険料には上限(賦課限度額)が設けられていますが、不動産の売却利益によっては一気にその上限額まで跳ね上がることも。
国保加入者の介護保険料と子ども・子育て支援金に関しても同様です。
また、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度も、前年所得によって保険料が決まります。
加えて、後期高齢者医療制度の窓口負担割合も所得に応じて「1割」「2割」「3割」に分かれており、不動産の売却で所得区分が上がると、負担割合が引き上げられることがあります。
負担割合が上がれば、通院や入院の際の自己負担額も大きく変わってしまうでしょう。
社会保険料は影響を受けない
一方で、会社員として健康保険組合などのいわゆる社会保険に本人として加入している場合、社会保険料は毎月の給与額をもとに決まるため、不動産売却による一時的な譲渡所得の影響を受けることはありません。
75歳未満の方でお子様の健康保険の扶養に入っている場合も基本的には同じですが、細かい規定は保険組合によって異なる場合があるため、詳細は保険組合へ確認ください。
保険組合によっては、健康保険の扶養に入るための年間収入の判定に不動産売却で得た譲渡所得が含まれてしまうことがあります。
その場合は、収入基準を超えて扶養から外れ、あらためてご自身で国民健康保険に加入し、保険料を負担することになる可能性があります。
健康保険料への影響についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムもあわせてご覧ください。
不動産売却が健康保険料に影響?負担の軽減方法や介護保険料への影響も
譲渡所得税の計算方法と3,000万円特別控除の活用法
年金の受給額は減らなくても、不動産の売却によって利益が出れば税金が発生します。
売却で得たお金すべてに課税されるわけではなく、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた「譲渡所得」に対して、譲渡所得税(所得税、復興特別所得税、住民税)がかかります。
譲渡所得税の計算式は次のとおりです。
- 課税譲渡所得金額 = 売却代金-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
- 譲渡所得税額 = 課税譲渡所得金額 × 税率
税率は、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」として、それぞれ39.63%、20.315%です。
住み替えに伴う税金の仕組みや使える特例について詳しく整理しておきたい方は、こちらのコラムも参考になります。
不動産売却時の税負担を大きく軽減できる特例
自分が住んでいた家を売却する場合には、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が使える可能性があります。
これは譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける制度で、要件を満たせば譲渡所得税がかからなくなるケースも珍しくありません。
主な要件は以下の3つです。
- 自分が住んでいた家屋やその敷地の売却である
- 住まなくなってから一定期間内に売却すること
- 配偶者や親族といった特別な関係にある人への売却でないこと など
年金受給者が不動産売却したときの確定申告と手続きの流れ

譲渡所得税が発生する場合はもちろん、特例を使って税額が0円になる場合でも、確定申告そのものは必須です。
申告をして初めて特例の適用が認められる仕組みになっているため、手続きを忘れないようにしましょう。
確定申告の時期と必要書類
申告の時期は、不動産を売却した年の翌年、2月16日~3月15日(曜日の都合で前後することがあります)。
この期間中に、次のような書類をそろえて管轄の税務署へ提出します。
- 譲渡所得の内訳書
- 売買契約書のコピー(売却時、購入時のもの)
- 取得費、売却費の領収書
- 登記事項証明書
- 本人確認書類 など
手続きに不安がある場合は、早めに税務署の無料相談窓口や税理士に相談すると良いでしょう。
売却そのものに迷いがある場合は、仲介や買取を扱う不動産会社に問い合わせてみる方法もあります。
確定申告そのものが必要かどうか、改めて基本から確認したい方は、こちらのコラムもご覧ください。
なお、長く所有した不動産や、親から引き継いだ不動産の中には、購入時の契約書類や領収書が見つからず取得費がわからないというケースもあるでしょう。
その場合は、売却代金の5%を取得費とみなして計算する方法が用意されていますが、実際の取得費より低く見積もられやすく、その分だけ譲渡所得が大きくなって税負担が増えることもあるため、注意が必要です。
下記のコラムで詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
不動産売却で取得費不明のときはどうする?計算方法や注意点を紹介
不動産売却で年金は減らないが国民健康保険料と税金に注意しよう
不動産を売却しても、老齢年金や在職老齢年金といった公的年金の受給額が減ることは原則ありません。
一方で、譲渡所得が生じると、翌年度の国民健康保険料や後期高齢者医療制度の窓口負担割合が引き上げられたりする可能性があるため注意が必要です。
譲渡所得には所得税・住民税もかかりますが、3,000万円特別控除などの特例を使えば税負担を大きく抑えられるケースもあります。
確定申告を忘れずに行い、書類の準備と申告時期を早めに確認しておきましょう。
郡山市で不動産売却をお考えなら、不動産会社「アイエス宅建」にご相談ください。
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