不動産売却お役立ち情報ブログ

相続・名義のこと

2026.10.29

不動産の生前贈与は相続より得?メリット・デメリットと手続きを紹介

facebook

twitter

line

こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエス宅建」の鈴木です。

 

「不動産は生前贈与と相続と、どちらが得なの?」

「子どもに確実に引き継いで、家族がもめないようにしたい」

そうお考えの方は多いのではないでしょうか。

 

今回は、生前贈与のメリット・デメリットやかかる税金と費用、特例制度、手続きの流れをご紹介します。

生前贈与と相続のどちらを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

※2026年10月時点の情報です

不動産の生前贈与

 

不動産を生前贈与するメリット

生前贈与とは、財産の持ち主が生きているうちに、子どもや孫、配偶者などへ財産を譲ることです。

相続とは違い、「誰に」「いつ」渡すかをご自身で決められます。

 

不動産の生前贈与が相続よりも有利な点は、主に以下の3つです。

 

引き継ぐ相手を自分の意思で確実に決められる

相続では、遺言書がない場合、不動産を誰が受け継ぐかは相続人全員の遺産分割協議で決めます。

土地や建物は現金のようにきれいに分けられないため、話し合いが平行線になることも珍しくありません。

結論が出ないまま兄弟の共有名義にすると、売却には全員の同意が必要となり、後々の火種になりかねません。

 

生前贈与をすることで、こうした争いを防ぎやすくなります。

法定相続人以外の方へ渡したい場合にも有効です。

 

相続時の不動産の分け方については、こちらのコラムで詳しく解説しています。

不動産の相続で査定が必要な理由と分割方法を解説

 

値上がりする土地や収益物件は相続税対策になる

税額の基準になる評価額は、贈与税なら贈与したとき、相続税なら亡くなったときのものです。

再開発が予定されている地域など値上がりが見込まれる不動産は、評価額が低いうちに贈与すると税負担を抑えられる可能性があります。

 

アパートなど家賃収入を生む収益物件も同様です。

贈与後の家賃は受け取った方の収入になるため、親の相続財産が膨らむのを防げます。

 

認知症による資産凍結に備えられる

認知症などで判断能力が低下すると、不動産の売却や贈与、遺言書の作成ができなくなる場合があります。

元気なうちに生前贈与しておけば、管理や活用を家族へスムーズに引き継ぐことができます。

 

 

不動産を生前贈与するデメリットと発生する費用

メリットがある一方で、生前贈与は「必ず得をする方法」というわけではありません。

 

贈与税は相続税よりも負担が重い

贈与税の基礎控除は年110万円にすぎませんが、相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」と大きいです。

 

税率も、贈与税は基礎控除後の金額が3,000万円を超えると50〜55%に達します。

(親や祖父母から18歳以上の子・孫への贈与は4,500万円以下なら50%、超えると55%。それ以外の贈与は55%)

一方、相続税は法定相続分に応じた取得金額が5,000万円超1億円以下の区分でも30%です。

 

例えば、評価額3,000万円の不動産を親から18歳以上の子へ一度に贈与すると、暦年課税での贈与税は1,035万5,000円です。※(3,000万円−110万円)×45%−265万円で計算

相続人が子ども1人でほかに財産がなければ、基礎控除内に収まるため相続税はかかりません。

 

不動産取得税と登録免許税もかかる

相続の場合は非課税となる不動産取得税が、贈与では課されます。

税率は原則4%で、土地・住宅は3%に軽減されています。

 

名義変更時の登録免許税も、相続の0.4%に対して贈与は2%と5倍です。

手続きを司法書士や税理士に依頼すれば、その報酬もかかります。

 

小規模宅地等の特例が使えない

相続では、亡くなった方が住んでいた土地などの評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」を利用できる場合があります。

 

自宅の敷地であれば、330㎡までの部分について評価額を80%減額できます。

しかし、生前贈与した土地はこの特例の対象外です。

 

生前贈与が相続財産に加算される可能性がある

生前贈与した財産でも、贈与者が亡くなる前の一定期間内の分は相続財産に加算されます。

 

対象期間は従来の3年から、2024年1月1日以降の贈与は7年に延長され、2031年1月以降に発生する相続から丸7年が加算されます。

 

贈与後すぐに相続が起こると節税効果が薄れるため、生前贈与を検討するなら早めに動き出しましょう。

 

相続で家を引き継ぐ場合の流れも、あわせて確認しておくと比較しやすくなります。

家の相続方法を解説!手続きの流れと注意点

 

 

不動産生前贈与で税金を大幅に抑える主な特例制度

贈与税の負担が重いとはいえ、条件を満たせば利用できる特例もあります。

代表的なものを紹介します。

 

相続時精算課税制度

60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選択できる制度です。

累計2,500万円までの特別控除があり、超えた部分には一律20%の贈与税がかかります。

 

2024年1月からは、暦年課税と同じ年110万円の基礎控除が、この特別控除とは別枠で新たに使えるようになりました。

 

ただし、この制度で贈与した財産は、年110万円の基礎控除分を除いて、贈与者が亡くなった際に相続財産へ加算されます。

その上で相続税を計算し、すでに納めた贈与税は相続税から差し引かれます。

加算額は贈与時の評価額で固定されるため、その後に値下がりすると不利です。

 

また、この制度を選ぶと、同じ贈与者からの贈与は以後は暦年課税に切り替えられません。

 

夫婦の間で不動産を贈与したときの配偶者控除(おしどり贈与)

婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産やその購入資金を贈与する場合に使える特例です。

基礎控除110万円とあわせて、最高2,110万円まで贈与税がかかりません。

同じ配偶者から受けられるのは1回限りで、税額がゼロになる場合でも申告は必要です。

 

住宅取得等資金の非課税

父母や祖父母から、住宅の新築や取得、増改築のための資金を贈与された場合の特例です。

省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外の住宅では500万円まで非課税になります。

 

土地や建物を直接贈与する場合は対象外で、2026年12月31日までの資金の贈与が対象です。

 

不動産を生前贈与する手順と必要な手続き

不動産の生前贈与は、契約・名義変更・税金の申告という3段階で進めます。

 

1.贈与契約書を作成する

法律上は口頭の約束でも贈与は成立します。

ただし、書面のない贈与は、名義変更などが済む前であれば当事者がいつでも解除できます。

後のトラブルや税務調査に備えて、贈与契約書を交わしておくと安心です。

 

2.所有権移転登記をする

物件の所在地を管轄する法務局で、名義変更の登記を申請します。

主な必要書類は、登記申請書、登記識別情報または登記済証(権利証)、固定資産評価証明書、贈与契約書、贈与者の印鑑証明書、受贈者の住民票などです。

 

3.贈与税の申告・納税をする

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受け取った方の住所地を管轄する税務署へ申告し、納税します。

 

 

不動産の生前贈与は相続との有利・不利を比べて慎重に選ぼう

不動産の生前贈与には、引き継ぐ相手を確実に決められる、値上がりする土地や収益物件の相続税対策になる、認知症による資産凍結に備えられるといったメリットがあります。

 

一方で、贈与税や不動産取得税・登録免許税の負担は相続より重く、小規模宅地等の特例も使えません。

相続時精算課税制度やおしどり贈与などの特例を活用しつつ、生前贈与加算の7年ルールを踏まえて早めに検討しましょう。

どちらが得かはご家庭の状況によって異なるため、税理士など専門家への相談もおすすめです。

 

郡山市で不動産売却をお考えなら、不動産会社「アイエス宅建」にご相談ください。

お客様一人ひとりにあったアドバイスで不動産売買をサポートいたします!

 

※2026年10月時点の情報です

 

この記事を書いた人

代表取締役 社長鈴木 超示良

一緒に働く従業員がともに夢をもち、同じ理念のもと明るく楽しく気持ちよく働ける会社にすることで、不動産売買仲介業を通してお客様の理想を実現してまいります。

facebook

twitter

line

不動産に関する
ご相談・お問い合わせ・査定は
全て無料で承ります。

豊富な実績と経験で自信を持って
最善のご提案をいたします。
お気軽にお問い合わせください。