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土地・空き家のこと

2025.07.25

セットバックが必要な土地は売りづらい?失敗しない売り方を解説

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こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエス宅建」の鈴木です。

 

「セットバックが必要な土地は売れにくいのでは…?」

そんなご不安をお持ちの方から、当社にもご相談が寄せられることがあります。

 

実際、セットバックが必要な土地は、通常の土地と比較して売却が難しいケースがあります。

しかし、工夫次第でスムーズな売却を目指すことも可能です。

 

今回のコラムでは、セットバックの基礎知識と売却が難しい理由、そして売却を成功に導く方法について詳しくご紹介します。

土地の売却

 

 

土地の「セットバック」とは?なぜ必要?

セットバックとは、道路と敷地の境界線を敷地奥側に一定距離まで後退させ、一定の道路幅を確保することです。

これは、建築基準法で定められた「接道義務」を満たすための措置です。

 

建築基準法では、建物を建築する際に「敷地が幅4m以上の道路に2m以上接している」ことが求められます。

しかし、古い市街地などには幅が4m未満の細い道路(「2項道路」と呼ばれる)も多く、このような道路に面した敷地には、そのままでは建物を新築・再建築することができません。

 

そこで必要となるのが、セットバックです。

道路と敷地の境界線を道路の中心線から2mまで後退させて、4mの道路幅を確保するのです。

道路の向かいが川や崖などの場合は、向こう側の境界線から4mまで後退させなくてはいけない場合もあります。

 

セットバックの目的

セットバックの主な目的は、防災や安全性の向上です。

建物を建てる敷地の前の道路幅を一定の広さで確保することで、消防車や救急車などの緊急車両が通行しやすくなり、災害時の避難ルートも確保されます。

 

さらに、日当たり・風通しの改善など、生活環境の向上にもつながります。

 

なお、セットバックした部分は道路扱いとなるため、建物や塀を設置することや、駐車場などとして利用することはできません。

 

 

セットバックが必要な土地の売却が難しいのはなぜ?

セットバックが必要な土地が売りにくいとされる理由は、購入者にとってデメリットがあるためです。

 

最も大きな問題は、現状のままでは新築・再建築ができないことです。

既存の建物がある場合にそのまま住むことは可能ですが、一度解体してしまうと、セットバックを行わない限り新しい建物を建てることができません。

 

このため、解体して新築を建てたい、または将来的な建て替えをしたいと考えている購入者にとっては大きな制約となってしまいます。

 

次に、セットバックを実施した場合に建築可能な面積が減少することもネックです。

例えば、道路幅が3mしかない場合、中心線から2mの位置まで敷地を後退させる必要があり、その分だけ土地を実質的に使用できなくなります。

 

さらに、セットバックには費用もかかります。

測量や分筆登記、道路としての舗装工事などで費用が発生するため、この負担がネックとなり、購入を見送る方も少なくありません。

 

また、「既存の建物にそのまま住むからセットバックは不要」というケースでも、前面道路が狭いことによる生活上の不便さは残ります。

車の出入りが困難であったり、緊急車両が通行しにくいといった防災面での不安があり、購入決定に至らないというケースもあります。

 

このような理由から、セットバックが必要な土地の売却は難しく、かつ、同じエリアの一般的な土地と比較して市場価値が低く評価され、売却価格が安くなってしまうのが現状です。

 

 

セットバックが必要な土地をうまく売却するために

売却が難しいと思われがちなセットバックが必要な土地ですが、工夫次第でスムーズに売却することも可能です。

成功のための具体的な方法をご紹介します。

 

不動産会社による買取を活用する

スピーディで確実な方法が、不動産会社の買取サービスの利用です。

買取では仲介のように買主様を探す必要がないため、短期間で売却を完了できます。

 

売却価格は市場価格より安くなりますが、確実性とスピードを重視する方には適した選択肢です。

 

仲介と買取の違いについては、こちらのコラムもご参考ください。

不動産の仲介と買取の違いは?メリット・デメリットは?どっちを選ぶ?

 

セットバックを済ませてから売り出す

セットバック工事(道路拡幅工事)を済ませて売り出せれば、購入希望者の印象は大きく変わります。

「すぐに建築可能な土地」になるため、需要も増えます。

 

既存の建物がある場合も、物件の老朽化や劣化が激しいなら、解体した上でセットバックをしてから売り出セットバック工事(道路拡幅工事)を済ませて売り出せれば、購入希望者の印象は大きく変わります。

「すぐに建築可能な土地」になるため、需要も増えます。

したほうがスムーズに買い手を見つけられる可能性も。

ただし、解体費用や工事費用が売却代金で回収できるかどうかは慎重な検討が必要です。

 

セットバック費用分を価格調整して売却する

セットバック工事は購入者に任せ、その費用相当額を売却価格から差し引いて販売する方法もあります。

買主様は「工事費を値引いてもらった」と納得しやすく、売主様も工事の手間を抑えられるという点でバランスが取りやすい方法です。

 

隣地所有者への売却を検討する

隣接する土地の所有者にとって、隣地の購入は敷地面積の拡張につながる魅力的な提案です。

隣地がすでに接道義務を満たしている場合、セットバックの問題も解消されるため、通常より良い条件での売却が期待できます。

 

ただし、個人間での直接交渉はトラブルの原因となりやすいため、不動産会社を介した交渉をおすすめします。

 

道路関連の土地売却については、私道に面した土地も同様の課題を抱えることが多いです。

私道に面した土地を売却する方法とは?ポイントを解説」で詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。

 

 

土地のセットバックに関するQ&A

Q&A

セットバックに関してよく寄せられる質問について、実務的な観点からQ&Aでお答えします。

 

Q: セットバック部分の固定資産税はどうなりますか?

A:セットバック部分は道路として公共利用されるため、固定資産税は非課税となります。

ただし、自動的に非課税になるわけではなく、市区町村への非課税申告が必要です。

 

Q: セットバック部分の土地の所有権はどうなりますか?

A: 原則として所有権はそのまま残りますが、道路とみなされるため建築物の設置などは制限されます。

自治体によっては寄付や買取制度があることもあります。

 

Q: セットバック土地の建ぺい率はどう計算しますか?

A:建ぺい率の計算では、セットバック部分を除いた敷地面積を基準とします。

例えば200㎡の土地で20㎡のセットバックが必要な場合、建ぺい率80%であれば【(200 – 20)× 0.8=144㎡】が建築可能面積です。

 

Q:セットバック工事にはどの程度の費用がかかりますか?

A:工事の内容や道路状況によりますが、一般的には数十万円前後です。

境界確定、分筆登記、舗装などの費用が含まれます。

 

 

セットバックが必要な土地の売却は専門家への相談が成功の鍵

セットバックを要する土地は、売却にあたって注意すべきポイントが多いのは事実です。

しかし、土地の状態を正しく把握し、購入希望者の不安を取り除く工夫をすれば、納得のいく価格での売却も十分可能です。

 

不動産会社による買取やセットバック工事の実施、価格設定の工夫など、状況に応じた対応をとり、スムーズな売却を目指しましょう。

大切なのは、セットバックが必要な土地の特性を正しく理解し、それぞれの状況に適した売却方法を選択することです。

 

郡山市で不動産売却をお考えなら、不動産会社「アイエス宅建」にご相談ください。

お客様一人ひとりに合ったアドバイスで不動産売買をサポートいたします!

 

この記事を書いた人

代表取締役 社長鈴木 超示良

一緒に働く従業員がともに夢をもち、同じ理念のもと明るく楽しく気持ちよく働ける会社にすることで、不動産売買仲介業を通してお客様の理想を実現してまいります。

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