こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエスホールディングス」の鈴木です。
今回は、空き家を維持するためにかかる費用を内訳とともに詳しく解説します。
さらに、維持費以外にかかる費用や、空き家の管理の負担を減らす方法もご紹介。
空き家の維持費について気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
空き家の維持費はいくら?費用の内訳も解説!
空き家を維持するためにかかる費用はどれくらいになるのでしょうか。
かかる可能性のある費用の内訳ごとに、目安をご紹介します。
固定資産税
不動産を所有していると、固定資産税を必ず収める必要があります。
固定資産税の税率は、原則1.4%です(市町村ごとに異なる税率を定めることも可能)。
例えば、固定資産税評価額2,000万円の不動産を所有している場合は「2,000万円×1.4%」で、1年間で28万円の固定資産税を納めることになります。
ただし、固定資産税には軽減措置があります。
土地の面積が200㎡以下の部分は、固定資産税課税標準額が1/6になり、一般住宅用地となる200㎡以上の部分は固定資産税課税標準額が1/3になります(建物の課税床面積の10倍が上限)。
※参考:郡山市「住宅の建っている土地の固定資産税は軽減されますか?」
また、老朽化した空き家が危険と判断された場合「特定空き家」に指定されるケースがあります。
その場合は、固定資産税額の軽減措置対象から外れてしまうため、管理には注意が必要です。
特定空き家について詳しく知りたい方は「特定空き家とは?認定の流れやデメリットを解説」もご覧ください。
都市計画税
所有している不動産が「市街化区域」にある場合は、都市計画税がかかります。
市街化区域とは、市街地となっている土地や、これから市街地になる予定の地域のことで、各自治体が都市計画法によって定めています。
都市計画税の税率は原則0.3%です(市町村ごとに異なる税率を定めることも可能)。
例えば、固定資産評価額2,000万円の場合は「2,000万円×0.3%」で、1年間で6万円の都市計画税を納めることになります。
なお、都市計画税も土地の面積が200㎡以下の部分は課税標準額が1/3になり、200㎡以上の部分は2/3となります。
※参考:郡山市「都市計画税とは」
水道光熱費
水道や電気の契約をそのまま継続している場合、使わなくても基本料金がかかります。
水道代は口径のサイズで基本料金が変わり、地域ごとにも金額が異なります。
例えば郡山市では13mmが1,060円、20mmが2,870円になっており、年間で考えると1万2,720円〜3万4,440円です。
電気代は利用アンペア数によって価格が異なる「アンペア制」と設定価格分までは電気を使っても利用料は加算されない「最低料金制」があります。
地域によって金額も異なりますが、空き家であれば毎月1,000円〜2,000円程度が目安です。
年間で考えると、1万2,000円〜2万円になります。
ただし、定期的に掃除に訪れるなど管理の頻度にもよるでしょう。
使用していなくても基本料金が月々かかると大きな出費となってくるので、電気のアンペア数を低いものにするなど、維持費を抑える対策が必要です。
保険料
空き家でも火災のリスクはあるので、火災保険に入っておく必要があります。
保険料は保険会社や保険内容、建物の立地や築年数などによっても変わりますが、年間1万円~8万円が目安です。
築年数が古い・面積が広いほど火災保険料は高くなります。
火災保険によっては空き家だと加入できない場合もありますので、注意しましょう。
修繕費用
建物が劣化していたり、破損がある場合は修繕費もかかります。
修繕内容としては、屋根や外壁の補修、窓ガラスの交換などが挙げられます。
空き家だからといって修繕を行わないと、柱や基礎などが傷んだり、建物の崩壊を招く可能性があります。
また、将来的に売りたい場合は、買い手がつきやすいようにきれいに保っておくことも重要です。
費用は、業者や工事内容にもよりますが、数万円から数百万円かかるケースもあります。
空き家の管理にはこんな費用がかかることも
空き家の管理には、次のような費用がかかるケースがあります。
管理会社にお願いする場合の委託料
空き家が自宅から遠いなどの理由で管理が難しく、管理会社に管理をお願いする場合は委託料がかかります。
管理会社やサービス内容にもよりますが、1カ月5,000円〜1万円程度が目安です。
仮に1カ月1万円とすると、年間で12万円かかることになります。
サービス内容は、状況確認、換気、雨漏り確認、水道・電気のチェック、郵便物の回収などが挙げられます。
交通費
空き家が自宅から遠い場所にある場合は、空き家を訪問する際の交通費がかかることも覚えておきましょう。
公共交通機関の運賃や、車の場合はガソリン代がかかります。
また、移動にかかる時間が負担に感じてしまうこともあるでしょう。
草刈りや庭木剪定
庭がある場合、放置してしまうと近隣トラブルになる場合もあるので、草刈りや庭木の剪定作業も必要です。
庭の広さや状態にもよりますが、草刈りは年に2~3回、庭木の剪定は最低でも年に2回ほど行うと良いでしょう。
草刈りを自分でできない場合、シルバー人材センターや便利屋などに依頼できます。
費用はシルバー人材センターなら2時間程度で1回2,000円〜3,000円が目安です。
1日1万円程度に設定している自治体もあります。
また、庭木の剪定も造園業者や便利屋に依頼できます。
料金は業者や木の高さ・種類などにもよりますが、3m未満の低木の場合であれば1本2,000円〜7,000円ほどになります。
ごみの処分料金
庭木の暫定をしたり、掃除や片付けを行う際にはごみが出ますが、処分の費用も必要です。
特に剪定枝は想像以上に多く、袋詰めの作業や運搬も大変になります。
葉がない時期に行うほうが費用も手間も抑えられるでしょう。
また、空き家にはごみを不法投棄をされることもあります。
不法投棄された場合、犯人が見つからなければ自分で処分しなければなりません。
一般的な可燃ごみや不燃ごみのケースから、壊れた家電などの粗大ごみのケースまであります。
料金は各自治体によっては異なりますが、大きなごみだったり量が多かったりすると、それだけ料金も労力もかかってしまいます。
これ以外にも、豪雪地帯の場合雪下ろしや雪かきが必要になるなど、地域や環境によってもさまざまな費用や労力が発生する場合があります。
空き家を長く放置してしまうと、このような費用がかかり続けることになるほか、さまざまなリスクが増えます。
どのようなリスクやデメリットがあるかは、「空き家の放置はNG?リスクやデメリット、解決方法を紹介」も参考にしてみてくださいね。
空き家の管理の負担を減らす方法もご紹介!
空き家を管理するには、費用や労力面などでとても負担がかかります。
使わない空き家なら、売却での処分や賃貸での活用などの選択肢もありますので、検討してみましょう。
空き家の売却
売却は、管理の手間やかかる費用がなくなり、まとまったお金が手に入るのがメリット。
適切な価格で売却するには、信頼のできる不動産会社を見つけるのがポイントです。
年数が経つほど土地や建物の売却価格が低くなる傾向にあり、老朽化が進むと特定空き家に登録されるおそれもあるので、早めに決断するのが良いでしょう。
一戸建ての場合、築20年を境に建物の価値はほぼ0になるといわれており、築20年以上経過している場合は「古家付き土地」として土地をメインに販売することもあります。
築20年以上でできるだけ早く売りたい場合は、更地での売却や、不動産会社に買い取ってもらう「買取」にする方法も。
ただし、更地にすると建物付きの場合と比較して、土地にかかる固定資産税や都市計画税が高額になることに加え、買取では仲介での売却価格の約6~8割程度になってしまうことが一般的です。
空き家の活用
賃貸として空き家を活用するなら、状態が良ければそのまま貸し出すこともできますし、リノベーションしてきれいな状態にしてから貸し出す方法もあります。
リノベーションをする場合は費用がかかってしまいますが、継続的な収入を得られるため、長く貸し出しできれば回収も可能です。
賃貸にする場合は、不動産会社に仲介してもらうのが一般的です。
契約書類の作成なども行なってくれるので、専門知識がなくても安心です。
ただし、賃貸として空き家を活用できるかは、地域や物件の状況によっても変わります。
活用すべきなのか売却すべきなのか、まずは不動産会社に相談するのが安心です。
空き家に維持費をかけたくないなら処分や活用も検討を
空き家の維持をするには固定資産税や都市計画税、水道光熱費、保険料、修繕費用などがかかります。
そのほか、管理会社に管理をお願いする場合は委託料、「特定空き家」に指定された場合は固定資産税がさらにかかるケースも。
庭の草刈りや庭木剪定費用、ごみの処分費用など、状況によってはさまざまな労力がプラスでかかります。
空き家管理の負担を減らすなら、売却したり賃貸にしたりする方法もあるので検討してみましょう。
売却なら管理費用や手間がなくなり、まとまったお金が入ってくるメリットがあり、賃貸にするなら継続的な収入を得られるメリットがあります。
売却や賃貸を検討する場合は、まずは不動産会社に相談するのがおすすめです。
郡山市で不動産売却をお考えなら、不動産会社「アイエスホールディングス」にご相談ください。
お客様一人ひとりにあったアドバイスで不動産売買をサポートいたします!