こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエス宅建」の鈴木です。
「空き家を持っているけど、相続する人がいない場合はどうしたら良いのだろう?」
空き家の増加が社会問題になっている中、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
空き家は適切に対応しないと、さまざまな問題が発生する可能性があります。
そこで今回のコラムでは、空き家の相続人がいない場合の対処法を詳しく解説します。
空き家の相続人がいないというのはどのような状況か、相続人がいない状況を避けるためのポイントなどもあわせて紹介しますので、ぜひご覧ください。
空き家の「相続人がいない」というのはどういうこと?
空き家に相続人がいない状況には、いくつかのケースが考えられます。
それぞれのケースについて具体的に見ていきましょう。
①法定相続人、指定相続人が存在しない
法定相続人とは、被相続人の配偶者や子、子がいない場合の親や祖父母、兄弟姉妹などです。
これらの相続人がいない場合、法定相続人が存在しないことになります。
そして、指定相続人とは遺言書で指定されている相続人です。
法定相続人も指定相続人もいない場合、相続人がいないという状態になります。
②相続人全員が相続放棄をした
相続が発生したときに相続人全員が相続放棄をしたというケースです。
相続財産には借金などのマイナスの財産も含まれます。
相続財産を合計してマイナスの財産が多い場合は、相続放棄をする方もいます。
相続放棄の手続きは、相続開始を知ってから3カ月以内で行うことができます。
③相続人と連絡がつかない
消息・安否がわからず、行方不明の状態が7年以上経過すると「失踪宣告」となり、亡くなった人とみなされます。
そのため、相続人の消息が7年以上わからない場合は、相続人がいないという状態になります。
④相続人全員が相続廃除、または欠格になる
法定相続人が遺言書の変造や破棄を行なったり、ほかの相続人を死亡させたりすると、「相続欠格」になる場合があります。
また、被相続人が遺言にて相続人の相続廃除を行なっている場合も相続の権利はなくなり、相続人がいないという状態になります。
相続人がいない場合、空き家はどうする?
相続人がいない場合でも、空き家を放置することはできません。
空き家を適切に管理していないと、ボロボロになって周辺環境や周辺住民に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
空き家の相続人がいない場合は、「相続財産管理人(または相続財産清算人)」を選任し、管理や処分を行うことになります。
民法940条により、法定相続人の全員が相続放棄をした場合も、空き家に住んでいた相続人などに管理責任が残ることが定められています。
相続財産管理人(または相続財産清算人)の選任と、その後の流れは以下の通りです。
- 家庭裁判所へ相続財産管理人(または相続財産清算人)の選任を申し立てる
- 裁判所が相続財産管理人(または相続財産清算人)を選任する
- 相続財産管理人(または相続財産清算人)が空き家を管理、保存、もしくは処分する
相続財産管理人(または相続財産清算人)は、法定相続人がいれば法定相続人が選任され、いなければ内縁関係者など特別縁故者や、司法書士や弁護士などの専門家が選ばれることがあります。
空き家を売却して債務を弁済したり、国庫に帰属させたりするまで、管理が継続します。
こちらのコラムでも、空き家を相続放棄したあとの管理責任や、空き家を適切に管理する必要性を解説しています。
ぜひあわせてご覧ください。
空き家を相続放棄しても管理責任はある!管理の必要性や注意点も
相続財産管理人と相続財産清算人の違い
2023年4月の民法改正により、相続財産管理人に加えて「相続財産清算人」という制度が新設されました。
相続財産清算人は家庭裁判所から選任され、相続人のいない財産の管理・保存・処分をする役割を担います。
相続財産管理人は、管理と保存を行う役割を担いますが、財産の処分を行うことはできません。
空き家の「相続人がいない」という状況を避けるために
空き家の相続人がいない状況は、事前の対策で避けることができます。
遺言書を遺しておく
法定相続人がいなくても、内縁関係の特別縁故者などがいる場合は、遺言書を遺しておくことで、指定相続人とすることができます。
ただし、遺言書は法律で定める要件を満たしていないと無効になることがあるので注意が必要です。
遺言書の作成に不安がある方は、公証役場に相談し公証人に作成してもらうと良いでしょう。
生前に空き家を売却しておく
活用予定がない空き家なら、売却してしまうのも一つの方法です。
空き家を手放すことで管理の手間がなくなるだけでなく、現金化することで老後費用にあてられますし、相続もしやすくなります。
生前に空き家を贈与しておく
生前贈与という形で、空き家を贈与しておく方法です。
自分の意向を反映しつつ、相手の意向も確認した上で贈与ができます。
相続人がいない空き家は遺言書や売却、生前贈与で対処!
空き家に相続人がいないケースは、法定相続人や指定相続人が存在しない、相続人全員が相続放棄する、相続人と連絡がつかない、相続人が相続廃除や欠格になるといったケースです。
これらの場合、相続財産管理人(または相続財産清算人)が選任され、管理や処分を行うことになります。
最終的には、残された財産が国庫に帰属することもあります。
空き家は適切な管理が必要なため、相続人がいないという状況は避けたいものです。
遺言書で特別縁故者に相続したり、売却して現金化したりなど、さまざまな対策が考えられます。
相続前から準備しておくことで、空き家の適切な管理と相続人のいない状況を避けることが可能です。
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