こんにちは。郡山市の不動産会社「アイエス宅建」の鈴木です。
「オール電化のマンションを所有しているけど、売れるか不安…」
「最近の電気代高騰で、買い手がつくのだろうか」
このように、オール電化マンションの売却について悩まれている方も多いのではないでしょうか。
確かに、電気代の上昇や災害時の不安から、オール電化マンションの売却に不安を感じる声は少なくありません。
しかし、適切な対策と販売戦略があれば、オール電化マンションの売却は十分可能です。
今回のコラムでは、オール電化マンションが売れないといわれる理由から、売却を成功させるためのポイント、そして知っておくべきメリット・デメリットまで詳しく解説します。
オール電化マンションは売れない?理由を解説
オール電化マンションは、生活に必要なエネルギーの全てを電気で賄うマンションです。
具体的には、従来のガスコンロの代わりにIHクッキングヒーターを使用し、給湯設備には電気温水器やエコキュートを採用しています。
「オール電化マンションは売れない」といわれる主な理由には、以下の3つが挙げられます。
①電気料金の高騰
近年、世界的な情勢変化により、燃料価格や卸電力の市場価格が高騰しています。
オール電化マンションでは、生活の全てを電気で賄うため、この電気料金の上昇が家計に大きな影響を及ぼしてしまいます。
一般的なマンションであれば、エネルギーをガスと電気で分散できますが、オール電化の場合は電気料金の変動の影響をダイレクトに受けてしまうのです。
②停電時の課題
住宅設備や家電の全てを電気で賄うオール電化マンションでは、地震などの災害時に電気が途絶えると、調理も給湯も暖房も全てが使えなくなってしまいます。
特に、寒い時期には生活に大きな支障が出る可能性があります。
③給湯システムの特徴
オール電化マンションでは、電気温水器やエコキュートといった給湯設備を使用します。
これらは貯水タンクに一定量のお湯をためて使用する仕組みのため、使用量が多い際は湯切れを起こす可能性があります。
追加で沸かし直す際は時間がかかるため、この点を不安に感じる方も少なくありません。
オール電化マンションのメリット・デメリット
オール電化マンションは、気になる課題がある一方で魅力もあります。
売却時には、これらのメリット・デメリットを正しく理解し、適切に説明することが重要です。
オール電化マンションのメリット
オール電化マンションのメリットを確認しましょう。
メリット①火災リスクの低減
調理や暖房にガスを使用しないため、ガス漏れの心配がなく、火災の心配も少ないです。
調理時の失火や不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクもなく、安全面で大きな強みとなっています。
メリット②光熱費の管理が容易
光熱費が電気代に一本化されるため、家計管理がしやすくなります。
また、ガスの基本料金がかからないことで、使用量が少ない時期でも固定費を抑えることができます。
メリット③深夜電力で節約可能
深夜電力を利用することで、電気代を節約できます。
特に電気温水器やエコキュートは、電気料金の安い夜間に沸かしたお湯をためて使用するため、効率的な運用が可能です。
メリット④災害時の迅速な復旧
電気は地上での作業で復旧できるため、地下のガス管修理より復旧が早い傾向にあります。
過去の震災では、阪神淡路大震災の際に復旧にかかった日数は、電気2日、水道37日、ガス61日、東日本大震災では、電気6日、水道24日、ガス34日となっており、電気の復旧は水道やガスと比べて大幅に早かったことが報告されています。
オール電化マンションのデメリット
続いて、オール電化マンションのデメリットについても知っておきましょう。
デメリット①電気料金の変動リスク
生活の全てを電気で賄うため、電気料金の値上がりが家計に大きな影響を与えます。
特に近年は世界的な情勢の影響で電気料金の高騰が続いており、この点が懸念材料となっています。
デメリット②停電時の機能制限
停電時は調理や給湯、暖房などの基本的な生活機能が制限されてしまいます。
災害時の備えとして、カセットコンロなどの代替手段を用意しておく必要があります。
デメリット③高額な設備費用
エコキュートなどの給湯設備は、従来の給湯器と比べて修理や交換の費用が高額になりやすいです。
一般的な給湯器より10万円程度費用が高くなる傾向があり、計画的なメンテナンスが必要です。
デメリット④調理器具の制限
IHクッキングヒーターでは使用できない調理器具があり、買い替えが必要になることがあります。
鍋底が平らでないものや、アルミ製の調理器具、土鍋など※は使用できないため注意が必要です。
※IHクッキングヒーターに対応している製品もあります
オール電化マンションが売れないときの対策
オール電化マンションを売却する際は、以下のような対策を行うことで、売却をスムーズに進めることができます。
なかなか売れない場合は、ぜひ取り組んでみてください。
ターゲットを絞った販売戦略
オール電化マンションの特徴を生かせるターゲット層に向けて、重点的に訴求することが効果的です。
オール電化マンションに向いているのは、以下のような家庭です。
- 安全性を重視する高齢者世帯
- 小さなお子さまのいるファミリー層
- 環境への配慮を重視する層
それぞれのニーズに合わせて、オール電化マンションのメリットをアピールしましょう。
具体的な使用実態の共有
具体的な使用実態や数値を示すことで、購入希望者が感じているオール電化マンションへの不安を解消できる場合があります。
例えば、以下のような情報を具体的に示すと効果的です。
- 実際の月々の電気使用量と料金の目安
- 電気代節約の実践的な方法
- 災害や停電への備えと対策
- 蓄電池がある場合の活用方法
蓄電池のメリットのアピール
蓄電池が設置されているマンションの場合、この点を大きなセールスポイントとして訴求できます。
蓄電池があれば、以下のようなメリットがあります。
- 停電時の非常用電源として活用可能
- 電気料金の安い夜間に充電し、日中に使用することで光熱費の節約が可能
- 災害時も一定時間の電気使用が確保できる
オール電化マンションの不安点を解消する要素にもなるため、ぜひ積極的にアピールしましょう。
それでも売却がうまくいかない場合は、オール電化以外の要因も考えられます。
家が売れない原因や対処法について、より詳しく知りたい方はこちらのコラムもご覧ください。
オール電化マンションは正しい対策で「売れない」を回避しよう
オール電化マンションは、電気料金の高騰や停電への不安から、「買い手がつくのだろうか…」と、売却に不安を感じる声も少なくありません。
しかし、火災リスクの低さや光熱費の管理のしやすさ、災害時の復旧の早さなど、実は多くのメリットがあります。
売却を成功させるポイントは、これらのメリットを適切にアピールし、物件の特徴を生かせるターゲット層に向けて効果的な販売戦略を立てることです。
また、蓄電池の設置や実際の使用実態を共有するなど、買主様の不安を解消する工夫も重要でしょう。
専門家に相談しながら、物件の魅力を最大限に引き出す販売戦略を検討してみてはいかがでしょうか。
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